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  1. 博士論文
  2. 心理学研究科

自閉スペクトラム症の青年を育てる親を対象とした ペアレント・トレーニングに関する研究 ――関係補強アプローチと行動変容アプローチの有効性の検討――

https://mejiro.repo.nii.ac.jp/records/2000166
https://mejiro.repo.nii.ac.jp/records/2000166
60ce74c8-d064-4e6f-b3c2-472399d5f889
名前 / ファイル ライセンス アクション
博士論文全文.pdf 博士論文全文.pdf (3.8 MB)
博士論文要旨及び審査結果要旨.pdf 博士論文要旨及び審査結果要旨.pdf (231 KB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2024-12-04
タイトル
タイトル 自閉スペクトラム症の青年を育てる親を対象とした ペアレント・トレーニングに関する研究 ――関係補強アプローチと行動変容アプローチの有効性の検討――
言語 ja
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_db06
資源タイプ doctoral thesis
アクセス権
アクセス権 open access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_abf2
著者 温泉, 美雪

× 温泉, 美雪

ja 温泉, 美雪

ja-Kana オンセン, ミユキ

Search repository
ONSEN, Miyuki

× ONSEN, Miyuki

en ONSEN, Miyuki

Search repository
抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 自閉スペクトラム症(以下,ASD)のある青年は日常生活スキルの不足により生活上の困難を経験しやすく(Bal, et al., 2015),不安や抑うつが高じやすい(Hollocks, et, al., 2019)。また,近藤(2013)や本田(2017)が指摘するように,ASD青年はひきこもり状態に陥る場合も少なくない。そこで,ASD青年の養育にはさまざまな困難を伴う。
本論文では,こうしたASD青年の問題を解決する支援として,親が養育スキルを実践的に学ぶペアレント・トレーニング(以下,PT)が有効であると考え,ASD青年の親を対象としたPTを実施し,その有効性を検証することを第一の目的とした。また,PTの有効性を検証するために,ASD青年の親の養育スキル尺度を作成することを第二の目的とした。
そこで,第Ⅰ部においては,まずASD青年の親の養育の特徴を捉えた。そして,ASDを含む発達障害のある子どもや青年の親に対するPTの先行研究を概観した。次に,第Ⅱ部ではASD青年の親の養育スキル尺度を作成した。また,養育スキルがASD特性のある青年の精神的健康におよぼす影響について検討した。さらに,第Ⅲ部においてASD青年の親を対象としたPTを実施し,その有効性を検証した。以下にその概要を示し,最後に今後期待される支援について言及する。
抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 (1)ASD青年の親の養育の特徴
 ASD青年の親の養育の特徴を捉えるために先行研究を概観したところ,養育の特徴を測定する尺度として養育態度尺度,養育行動尺度,養育スキル尺度が認められた。そして,養育スキル尺度は親と子どもの行動変容を意図したPTの効果を検証するために有用な尺度であると考えられた。
次に,ASDの子どもや青年を育てる親の養育スキルに関する研究から,ASD青年の親の特徴を概観した。その結果,相談支援を受けていて,子どもの年齢や知的水準が高い場合に,親は子どもの発達を促す程度が高いことが明らかになった。また,青年期において,養育スキルはASD青年の反発を招くものでなく,かつASD青年に日常生活スキルを身につけさせるものである必要があると考えられた。さらに,ASD青年の日常生活スキルの高さは不安や抑うつの低さと関係のあることが示唆された。以上から,ASD青年の親の養育スキルとASD青年の日常生活スキルや親への反発ならびに不安や抑うつとの関連を明らかにすることの必要性が見いだされた。

(2)発達障害のある子どもや青年の親を対象としたPTの先行研究
 発達障害のある子どもや青年の親を対象としたPTには,関係補強アプローチと行動変容アプローチが認められた。関係補強アプローチのPTでは,青年の発達特性をグループ内で共有し,親は家庭においてその特性を保障しながら,セッションの後半にはASD青年に生活行動を促していく。これに対し,行動変容アプローチのPTでは,セッションの前半から,親は青年が生活行動を遂行するための先行刺激-たとえば声かけや視覚的指示など―の提供や生活行動の強化を行い,行動分析を通じて発達特性や青年期の心理を理解し,それらに配慮していく。したがって,2つのアプローチはいずれも親子関係の補強と子どもや青年の行動変容を目的にしていること,そして関係補強アプローチは親子関係の補強に,行動変容アプローチは子どもや青年の行動変容行動に主眼をおくという特徴が認められた。
また,発達障害のある子どもや青年の親を対象としたPTは注意欠如多動症を対象にすることが多く,ASDの子どもや青年の親を主な対象としたPTは国内外で実施されていなかった。そこで,ASD青年の親を対象としたPTの開発は急務であることが明らかになった。さらに,PTの有効性を検証するための行動理論に基づく養育スキル尺度が開発されていないことも示され,ASD青年の親を対象とした養育スキル尺度の作成の必要性も見いだされた。

(3)ASD青年の親の養育スキル尺度の作成
 ASD青年の親の養育スキル尺度は,関係補強アプローチと行動変容アプローチのPTによって獲得されることが認められている養育スキルを参考に作成した。次に,養育スキル尺度についてASD青年の親から回答を求め,因子分析をした。その結果,養育スキル尺度は行動促進スキルと応答スキルの2因子から構成されることが明らかになった。そして,行動促進スキルはASD青年の生活行動を導き出し強化するスキルであり,応答スキルは親がASD青年の状態に応じて対応を調節するスキルであることから,行動促進スキルは行動変容アプローチのPTが,応答スキルは関係補強アプローチのPTが積極的に親に促す養育スキルであると考えられた。各因子のCronbachのα係数は,行動促進スキルがα=.86,応答スキルがα=.79であり,充分な数値が示されたことから,内的整合性の観点から本尺度の信頼性が認められた。さらに,肯定的・否定的養育行動尺度(PNPS)を外的基準として養育スキル尺度の収束的妥当性を検討した結果,「応答スキル得点」と「行動促進スキルと応答スキルの合計得点」はPNPSの肯定的養育行動に正の,否定的養育行動に負の相関を示した。この結果から,養育スキル尺度には一定程度の収束的妥当性が認められた。

(4)養育スキルがASD特性のある青年の精神的健康におよぼす影響
Kamio(2005)によると,ASDの特性は定型発達まで連続体状にその程度が分布することから,養育スキルがASD青年の精神的健康にあたえる影響についての実証的な資料を得るために,応答スキルと行動促進スキルがASD特性のある青年の精神的健康に与える影響について検討した。分析をするのにあたり,「応答スキルが行動変容スキルを介してASD特性のある青年の精神的健康に正の影響をおよぼす」という仮説を立てた。なお,この分析は,社会的居場所がある場合とない場合に分けて行った。その結果,社会的居場所のあるなしに関わらず,応答スキルが行動促進スキルを介して精神的健康に正の影響を与えていることが示された。つまり,ASD特性のある青年期前・中期の子どもは親から応答的で行動促進的な養育を受けていると,青年期後期において精神的健康度が高くなることが推察された。

(5)ASD青年の親を対象とした関係補強アプローチのPTの有効性
 ASDの診断を受けている青年の親を対象に,関係補強アプローチのPTを実施した。その結果,ASD青年の親は応答スキルと行動促進スキルが増加し,PT終了から3ヶ月間その状態が維持された。また,青年の攻撃的行動や非行的行動は軽減し,親子関係が改善した。さらに,青年の不安/抑うつの軽減は一定程度認められたが,十分ではなかった。この結果は,青年の多くが不登校であったり,登校への緊張が強いことが影響していると考えられた。親の精神的健康はPT開始からフォローアップ(PT終了から3ヶ月後)までにおおむね改善した。しかしながら,PTで家庭のことを話すことに負担を感じたり,性の問題や進路といった支援ニーズに対応してもらえなかったと感じた親はPT終了時に精神的健康が損なわれていた。


(6)ASD青年の親を対象とした行動変容アプローチのPTの有効性
 ASDの診断を受けている青年の親を対象に,行動変容アプローチのPTを実施した。その結果,ASD青年の親は一定程度行動促進スキルと応答スキルが増加した。なお,行動促進スキルの方が応答スキルより獲得されやすかった。また,PTによって獲得された行動促進スキルや応答スキルの維持が困難な事例が認められた。そして,青年の外在化行動や内在化行動はPT開始から終了時,そしてPT終了から3か月後まで有意に減少した。さらに,親の精神的健康はプレからPT終了後にかけて改善されたが,PT終了から3か月後にはプレより悪化していた。そこで,ASD青年の親の支援ニーズは家庭外の学校生活や進路のことなど多岐に渡ることから,精神的健康は損なわれやすいことが示唆された。

(7)今後期待される支援
関係補強アプローチと行動変容アプローチはいずれも,ASD青年の家庭内の生活行動を改善させた。PTのねらいは,その効果がPT終了後に持続することにある。この観点から,養育スキルの獲得と維持が可能となる関係補強アプローチのPTがASD青年の親には適していると考えられる。その一方で,ASDは行動の般化が難しいことから,本論文で行った2つのPTによって家庭での行動変容が学校などにおよぶことは困難であった。そこで,今後は学校と連携し,ASD青年も参加することができる学校版PTを実施することに期待が高まる。学校版PTによって,ASD青年は自らの行動変容に問題意識を持って取り組み,学校での行動が変容しやすくなることが予想される。また,親はASD青年の学校での行動変容を応援する立場がとれるようになり,精神的健康は改善される可能性がある。これまでに明らかになった本論文で得られた結果が学校関係者に周知されることによって,学校版PTの実現性は高まるだろう。そして,学校を基盤としたPTによって参加者は確保されやすくなり,その有効性についての量的検証も可能になると考えられる。
学位名
学位名 博士(心理学)
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学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32414
学位授与機関名 目白大学
学位授与年度
内容記述タイプ Other
内容記述 2024年度
学位授与年月日
学位授与年月日 2024-09-19
dissertation_number
学位授与番号 甲第18号
出版タイプ
出版タイプ VoR
出版タイプResource http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85
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Ver.1 2024-12-04 06:37:38.460166
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